卜部依斗子のサーヴァント。全身を赤い装束に包んだ、攻撃的な雰囲気の女性。
……
ケルト神話において、「マッハ」の名はしばしば登場している。
「銀腕」ヌアザの后、ネヴェズ族長夫人、ミレ族の王女、クルンフーの妻――
そのすべてが転生した同一人物であるとされ、彼女はその度に世の移り変わりを目にしてきたのである。
(かの英雄クー・フーリンの愛馬の名もそうであるが、彼女は関連を全力で否定している)
彼女の本性は死神。
戦場に降り立っては戦士達を狂気に陥れ、その死肉を喰らう凶鳥である。
死を司る三女神『バズウ・カタ』の末妹として、
戦乱による人の破滅、そして己の死すらも愉しんでいた。
そして聖板戦争への参戦も、戦の臭いを嗅ぎつけたから、
ついでに新たな世界を見たいという望みからちょろっと顔を出したに過ぎない。
……なお正確には、彼女を召喚したのは今のマスターではない。
小聖板を渡された魔術師の男がサーヴァントとの契約前に焼却しようとするも失敗、
打ち捨てられた小聖板を拾った依斗子と契約を結んだ。
件の魔術師に対しては、現界前に火炙りにされた落とし前をつけさせに行きたいのだとか……。