古読生まれで古読育ちな地元の女子高生。住宅街から少し離れた養護施設に住んでおり、現在は古読総合学園高等部の1年生。
幼いころに両親を亡くして身よりもないが、持ち前のポジティブさによって毎日幸せそうに暮らしている。
笑顔の絶えない少女で、晴れでも雨でも、学校でも家でも、テストの時でも遊んでる時でも(程度の差はあるが)楽しそうにしている。自称『世界一幸せな女子高生』。老若男女問わず広い交流関係を持ち、学園ではかなり有名。また、良くボケっとしているためか転んだりぶつかったりすることが多く、ドジな少女としても良く知られている。
ちなみに、あまりに常日頃から幸せそうであるためか普段は人気者であるのだが、「一人にして欲しい」「テストが近い」等の場合には鬱陶しがられることも多い。そのせいか、親しい人は数あれど深く付き合ってる友人は数少ない。
実は、彼女はとある一つの超能力――未来視を持っており、彼女の右目はいつ何時でも『最悪の結末』を映し出している。よく転んだりぶつかったりするのはその影響によるものである。近いところでは己の選択の結果起きるもの、遠いところでは自分のまるで関わらないような地球の裏側で起きるものを、彼女は生まれたその瞬間から見続けている。10分後の最悪も、100年後の最悪も、あるいは地球が滅びるその瞬間さえも、同時並行重ねあわせに、常人では到底理解できない情報量で見続けることを強いられている。
――――そしてそれ故に、彼女の言う『世界一幸せな女子高生』というのはひとつの真実である。この世界に起こりうるあらゆる『最悪の結末』を彼女は観測し続けている。それ故に「最悪ではない」というだけの現実でさえ、彼女にとっては幸運な出来事であると思えてしまう。彼女は現実にあるありとあらゆる現象のすべてを幸福に変換して認識している。今この時生きていること、一歩足を踏み出せること、呼吸ができること、まばたきができること、親が、友達が、街が、国が、人類が、生物が、惑星が存在しているということが、ただそれだけでこの上なく素晴らしいと心の底から思っている。もしも人の感じる幸福を定量化できるのならば、彼女のそれは他のすべての人類を合わせたものを超えているだろう。