『 おこりんぼのグランビー、おとぼけドビー、ねぼすけスリービー…さ、ほかの小人さんもいらっしゃい。おままごとをしましょうね。あらあらウフフ、言うこと聞かない子は首を捻じ切ってしまうわよ。』

概要

『 小人の女王(クィーンオブリリパット) 』 の通り名を持つ石工組合(フリーメイソン)所属の魔術師。
幼き頃に魔術師の父に連れていかれ、縮小魔術で身体を小さくさせられた挙句、 小人世界に置き去りにされてしまう。
いつまで経っても迎えが来ず、絶望しかけたフィンヌーラだが、いつか人間世界へ帰還する事を胸に 若干6歳にして戦乱の小人世界を生き抜く決意をする。
家伝の精神干渉系魔術と口八丁…愚かな小人達を騙し、利用するのは造作も無いことだった。物乞い、スリ、泥棒、盗賊団と裸一貫の状態から裏街道を歩み続け、 わずか13歳で群盗を束ねる頭目へ。その戦力を買われ、今度は傭兵団として国々を渡り歩き、 遂には一国を乗っ取って王位に就く。それからは戦国の雄として覇を唱え、たった十年で小人世界を統一してしまうという離れ業をやってのける。

女王の座について間もなく、小人世界と人間世界を自由に行き来する方法を発見した父が、十年ぶりにやって来た。
玉座にあった娘の姿に驚き、置き去りにした事を詫びる父を捕らえ、縮小魔術の解呪法・人の世界へ帰還する方法を聞き出すと、 怒りのままに処刑。フィンヌーラは生き延びようとした結果得た女王の座を捨て、人界に戻る事を決めたのである。 …しかし小人達は人の大きさを取り戻した女王に変わらぬ忠誠を誓い、千名余りがお供をして人間の世界へと着いてきたのだった。

帰還してより後は父の残した魔術書、そして複数の異なる小人世界に関する調査書、 これらの貴重な資料を魔術協会の封印指定から守る為に、父が所属していた石工組合に加入する。
だが結局は杞憂に終わり、協会は資料の存在を把握してはおらず、執行者などが派遣される事もなかった。
その後も祖父と出会って強力な魔術を学び、格闘術を身に着け、武闘派魔術師として力を上げてゆく。
そして時計塔にスパイとして潜入し学生生活を送っていたところ、聖板戦争に参戦せよとの指示が組織より下されるのであった。

性格
おっとりとした穏やかな挙措、間延びした口調、淑女そのものの上品さを備え、他者に対して常に優美な微笑みを絶やすことがない。まさにメルヘンの世界のお姫様。しかし時折見せる射抜くような眼光が、只者ではない事を告げている。

…それもそのはず彼女は戦乱の世である小人の世界で十年の歳月を過ごし、物乞いから王までを経験してきた。貧しさのあまり泥を啜り、富を手に入れては贅を尽くし、波乱万丈な人生を送ってきたのである。その微笑の下には強靭な生存本能を持つケダモノが潜んでおり、本性を現せば表情も一変して高圧的な物言いになる。

また彼女の起源でもある 『 隷属 』の意思は他者を隷属させる事に深い喜びを見出し、この感情の迸るままに覇道を駆けて彼女は女王となった。昨今では根源に到達し新しい魔術系統を打ち立て、そのシステムにすべての人類を隷属させる…という野望を抱いていたが、実は最近になって他者を隷属させるのみならず、より優れた者に自分が隷属する喜びもあると気づき始める。彼女が求め、隷属したいとまで思わせる相手とは――――。 

方針(聖板戦争での立ち回り方)
聖板戦争における彼女の方針は、複数の人間の思惑が複雑に絡んだものである。
まず彼女は時計塔の学生として、もうひとりのパートナーである魔術師・国巣と聖板戦争に参戦。
偶然を装い、参麓丸一と出会って行動を共にする。

しかし実際の所は、彼女の所属する魔術結社から参麓の持つ特殊な力・テレズマパワーの調査を指示されての行動であり、 その力が有益であると判断した場合は、参麓を組織に勧誘する手筈になっている。
もしも組織にとって害ありと判断した場合、抹殺も視野に入れているとの事。
その判断がつくまで参麓を監視し、彼が聖板戦争で生き延びられるよう援護するのである。

以上が組織としての一応の命令なのだが、それはあくまで表向きのもの。
ここまで組織が参麓を特別視するのは、実は隠された訳がある。
大幹部のロックフォードが個人的に参麓を気に入っており、色々と理由をつけて彼を援助しようとしているのだ。

ロックフォードと参麓の因縁は第四次聖板戦争にまで遡り、
彼らは戦争中にそれぞれ野球チームを作って試合をした仲なのである。
その後ロックフォードは霊長総軍の首領・オーリーに反旗を翻し敗北、なんとか平行世界へ逃亡したはいいが、
オーリーの魔術によって主核に亀裂を入れられ…最早余命は数ヶ月とない。
彼は命が尽きる前に、自らの願いの一つである参麓との再戦を望んだ。勿論、野球での…。

ところが当の参麓は何ゆえか女神と呼ばれる高次元の霊に命を狙われ、
孤軍奮闘の状況で今回の聖板戦争を生き延びられるかも定かではない。野球をやっている余裕などないのである。
この状況を知ったロックフォードは参麓の力を殊更に希少なものと煽り、組織を動かす。
腕利きの戦闘員魔術師3名(フィンヌーラ、国巣、あともう一人いたが聖板戦争序盤で死亡)を呼び寄せ、
参麓本人には秘密の上で救援に向かわせるのだった。彼を無事に生かし、今一度野球で決着をつける為に―――。。
それこそが秘められた真実の理由である。幹部の私情で危険な任務を任されるのも酷い話だ。

戦闘スタイル(強み・弱点含む)
家伝の精神干渉系魔術による精神攻撃や洗脳、コルヌによる刺突を中心に攻め立てて注意を引きつけ、
その隙に忍び寄った小人兵による奇襲にてケリを着けるのが戦いのセオリー。
大概の相手はこれで倒してしまう為、バートン流柔術や陣形魔術を使用する機会は滅多に無い。
長いローブの中に隠れた小人達が袖口や襟元からクロスボウや弓を射掛け、相手の目など急所を狙う不意打ちも得意。
その場合は胸元をはだけさせたり、ローブをまくって生足を見せるなど色香を利用して油断を誘う。
だがそれらは『 小人使い 』 としての戦力を相手に知られていないのが前提なので、普段は小人をかわいらしい無害な妖精としてアピールしている。

奥の手である陣形魔術を行使し、千人あまりの小人兵達を強化すれば、各陣形の特色を現した凄まじい攻撃が相手を蜂の巣にする。

性格的に相性の良い相手・悪い相手
若くして数奇かつ壮絶な人生を送ってきているので、これまで安全な場所でぬくぬくと育ってきた甘ちゃんや未熟者に対してついつい険のある態度をとってしまう。また本人の『 隷属 』 の起源から、優れた能力を持つ人物を眼前にすると従えたくてたまらなくなる。思わず精神干渉魔術で洗脳しようとしてしまい、いらぬトラブルを招くだろう。そして本当に優れた偉大な者を前にすると、今度は自分が隷属したくなってしまう。因果な性格である。 
パートナーについてどう思っているか
サーヴァントはイギリスでは有名な詩人であり、フィンヌーラもまたその作品に親しんでいた事から、極めて好印象。少々女好きである事、戦闘力がそれほど高くない事が難点だが、サーヴァントとして自分を完全に立ててくれるので関係も良好である。
台詞の例
『 あらあら今日はなんていいお日和なのかしら。小人さんたちとお散歩にいきましょう 』
『 まあいけない、わたくしうっかり踏んでしまったわ。お花さんごめんなさいね…。』
『 ああ、なんという名誉でしょう! あなたのような偉大な方をサーヴァントにできるなんて! 』
『 フ、何が英霊、何がサーヴァント。増上慢も大概にしろ。所詮はこの広大な天下の、ほんの一部で名を挙げたお山の大将に過ぎん。この私は一つの世を平らげた覇王だぞ…! 』 
『 フフフ、今度は王ではなく魔術師として、根源を、真理を隷属させて見せよう。その為には、偉大な賢者が…全知の師が必要なのだ…。』