桑原虎氏(くわばら こうじ)、通称『雷光のトラジ』。
此処とは異なる次元にて、救世の“英雄”と称される無頼漢。
強大な敵と刺し違えて斃れたと思われたが、精神は異世界に飛ばされて肉体を成し、
「第三次聖板戦争」の只中に放り込まれてしまう。
「生きて帰るという約束を果たせなかった」事で
自信を打ち砕かれ、記憶喪失にまで陥っていたが、
多くの出会い、強敵や英霊達との激闘を経て己を取り戻すと、
遂にはこの地に起こる災厄の一つを取り除いてみせたのだった。
いつぞやで見かけた天狗面の爺が現れ、語りかける。
戦に倒れた英霊としての「桑原虎氏」を呼び出したのは自分だ、と。
そして、此処とは別の地で新たなる戦いが勃発する。
“また”聖板を借り受けるから、今度はマスターとして向かってもらう……とも。
「そなたは彼の地の“英雄”たり得るか――」
新たなる戦地に降り立つ間際、天狗面の爺が呟いた言葉を聞き逃さなかったが、
その真意を理解する事は出来なかった。