昔々、ある神様が暦を司る十二支の動物を決める儀式を行った。
儀式の参加者であった猫は鼠に騙されて誤った日時を教えられ、一月二日零時ジャストにゴールイン。
「顔洗って出直して来い」と叱った神様も後から事情を知って猫を不憫に思い、ある役目を授けた。
その猫の魂を、この卜部依斗子(うらべ えとこ)という少女は継いでいるそうな。
彼女の役目は、簡単に言えばタイムパトロール。
未来に騒乱を起こそうとする者が居れば鎮圧に向かい、
過去に戻って歴史を書き換えようとする者が居ればキツく懲らしめ、
平行世界に逃げ出そうとする者が居れば注意を促し、帰還させる。
とは言えそんな悪事をやらかそうという輩はそうそう居らず、暇を持て余していた。
しかし観測地点をずらしたある時、過去の英霊を召喚し戦わせるという事象「聖板戦争」が確認される。
依斗子の双子の姉・日紀は、戦争開始に先んじてその現場――石枝市に乗り込み、
調査に当たる中で戦争参加者となっていたが、
突如現れた謎の“禍々しい巨大な板”と交戦し瀕死の重傷を負ってしまう。
寸での所でタイムゲートを使って、日紀を救出した依斗子。
しかし新たなる聖板戦争が、別の次元で始まろうとしている。
日紀の傷が治り切らない今、今度は自分が戦争に出ると決意。戦地に続くゲートを開いた。
最愛の姉のリベンジを果たす為、そして聖板が時空の歪みを齎すモノか見極める為に。