「『魔』を滅し、以って世に奉ずる。吾が望みはそれだけだ。」

概要

 片目を隠す程の長髪に病的なまでに白い肌、そして時代錯誤も甚だしい着流し姿が幽鬼を思わせる。
一見は二十代ほどの青年に見えるが、その正体は仙術で老化を停滞させ二百年近くの時を生きる退魔一族の末裔である。 自らの一族を縛る概念「滅魔奉世」の成就のため、家が断絶した後も各所を放浪、無軌道に『魔』なるものを斬り伏せてきた。
 濃密な『魔』の気配に導かれ、聖板戦争開始とほぼ同時に古読の地に足を踏み入れるが……。

来歴
 退魔一族の嫡子として産まれた彼は、幼少の頃から魔を狩る訓練のみを徹底して叩きこまれ、自身もそのことに疑問一つ抱かず自らを道具として研ぎ澄ませてきた。 武芸・仙術に天稟を示し当時の当主も次期の主戦力として期待していたようである。
 彼の生家である「祠堂家」は断絶して久しい退魔一族の家であり、複数存在した退魔組織の中でもひときわ攻勢な性質を持っていた。 退魔組織は通常、混血の一族が人の世を乱さぬ限りは殊更に関知することはない。しかし、祠堂の一族は「『魔』の残した血は、その一滴までも断ちきるべし」 と穏やかに潜み暮らす混血の人々までも執拗に狩り立てる挙に出ていた。当然、祠堂家と混血一族の対立は深まり、彼らとの諍いが絶えぬ状況が続いた。
 その結果混血一族と退魔組織全体の関係も硬化し、同業の退魔組織からも疎まれるに至った彼らは、売られるような形で混血一族の大挙した襲撃を受けることとなる。 三日三晩続いた争いのなか、当主を含めた一族に連なるものはほぼ全滅、その中で一人鏡禍のみが差し向けられた刺客を返り討ちにし、逃げおおせることに成功した。
 しかし、一族の後継を錬成する方法を失った祠堂の家は断絶。道具としてのみ自分を磨いてきた彼は、襲撃者を恨むことすらできず、ただ自らの中にある「滅魔奉世」の令を実行する機械のように各地を放浪することとなる。
性格
 基本的に無口・無表情。自分から言葉を発することは殆ど無く、問われれば最低限の言葉を返す程度。
自身は一族の作り上げた道具であるという意識が強く、自我が極めて薄い。
 基本的に完全な山ぐらしのため、文明的な一切に頼らずに生活を完遂できる。 食事などもすべて自前で手に入れて調理しているが、特に山野草の料理を好んでいる。
現代文明の利器に慣れておらず、それらに触れると一瞬驚きの表情が見えたりする。
方針(聖板戦争での立ち回り方)
 当初は行き当たりばったりに見つけた魔術師や異能者を斬り倒していたが、サーヴァントに単身対峙して敗北を喫する。 その後出会ったランサーの助言を受け入れ、陣を作ることに長けた彼に拠点設置を任せ自身は陽動を行い、陣地に誘い込んだ後にランサーと連携して敵を殲滅する戦術に切り替える。
戦闘スタイル(強み・弱点含む)
 二百年もの間だ鍛え上げられた体術とサーヴァントすら傷つけることが可能な霊刀、 加えて練り上げた気で全身に覆う鉄壁の防御と、戦闘力は軒並み高水準。
 さらに、多くの『魔』との戦闘経験から妖術に対する立ち回りも心得ており、搦め手においても動じにくい。
 しかし、戦闘力の高いサーヴァントに真っ向から挑まれれば敗北は必至であるため、陽動中に運悪く命を落とす可能性は十分にある。      
性格的に相性の良い相手・悪い相手
 前提条件として混血はもとより魔術師や異能者などに対しては問答無用で斬りかかるスタイルなので、そういった者達と協力関係を結ぶことは原則不可能。  
異能を何一つ持たない巻き込まれ系一般人などに対して攻撃することは一切ないので、結果的にそういった人間を助ける体になる場合もあるかもしれない。
パートナーについてどう思っているか
 主の目的に臣として忠実に従うその様をる見ことで、戦いにおける「道具」として非常に信頼している。
(自身を「道具」としてしか認識できないゆえ、それ以上の愛着を持つことができない)。  ランサーが常理を外れたものであることは承知しているが、この戦場においてはその手助けがなければ「滅魔奉世」を遂行できないと悟っており、 戦争中はフルに連携した戦闘を展開したいと考えている。
台詞の例
「貴様が魔の術に通ずる者だということ。滅する理由はそれだけで足る。」
「あい分かった。汝に憑くその魔性、尽く斬り落としてくれよう。」
(うむ……この山草はなかなかに美味)
「もう遅い、既にこの場は吾らが狩場だ。征くぞ、ランサー。」