黒曜石の鏡

概要

 アステカ神官系魔術師。武闘派で、普段はぼんやりしているが戦闘になると文字通り豹変する。
 生きた心臓という生け贄を捧げて神を降臨させようと努力中の蛮族系テスカトリポカ神官。
 ただし現代的な知識自体は持っているため、心臓をえぐりだし神に捧げる儀式が誰かにバレないよう情報を抹消しているため魔術協会に黙認されている。
 まあ結局個人個人を殺害してまわっているだけである以上、単なる世界規模の猟奇殺人程度にしか捉えられていない。誰がやっているのかもわからないため、指名手配すら出来ていないのが現状である。

性格
 性格は純粋。純粋に、神へと信仰を捧げている。
 要するにいわゆる敬虔な信徒という人間なのだが、信仰対象の神が生け贄を求めるテスカトリポカであることが問題。彼女は故郷の風習から、神への供物とされることが名誉なことであると信じきっているため、善意で人を殺害する。
 混沌・善属性なのもそこに反映されており、心臓を抉りだす行為を彼女は善行と捉えているのである。
方針(聖板戦争での立ち回り方)
 聖板を完成させるために行動する。
 基本的にはマスターに喧嘩をふっかけて、殺して心臓を抉ってまわる。
 マスターがいない場合、もしくは消耗が激しくなった場合はそこら辺の一般人の心臓を抉ろうとする……が、生け贄否定派のランサーに止められているので流石に自重している模様。
戦闘スタイル(強み・弱点含む)
 原始的な神官魔術による魔術戦。魔術の起動ワードは「生け贄を捧げよ(tlamana)」である。
 この起動ワードと、それに対し己の持つ「生け贄」を燃やすことで契約は成立する。
 この生け贄は基本的には生きた心臓であり、彼女は予め作ってある心臓のみを維持する魔術礼装に殺してきた生け贄の心臓を保管してある。
 位階の優れた心臓ほど起動する魔術の位階は向上するというシンプルな仕組み。例えばネズミの心臓より人の心臓が優れ、人の心臓でも一般人より魔術師のほうが優れている、といった感じ。
 そして、相手が単なる魔術戦で勝てないと分かった時には「密林大帝」による接近戦へと切り替えて戦う。
性格的に相性の良い相手・悪い相手
 性格的相性は、複雑。
 彼女からすれば基本大体の相手とある程度までは仲良くなれている、つもり。 人の思いを尊重し、立場を思いやれる彼女は基本人間的には優れている。ただ、それと生け贄殺人行動が矛盾なく存在しているため、まあ一般常識がある人間とは相性が悪い。
 尚、猟奇殺人を快楽や趣味で肯定するような外道とは相性が悪い。そんなふざけた理由で殺人するなんて許せないとかなんとか。
パートナーについてどう思っているか
 パートナーであるランサーは別な神を信仰しているとはいえ極めて優れた神官であると尊敬している。
 人の生贄は良くないとランサーが言ってくるのもその信仰心によるものだろうと思っており、 「でもこれがワタシの信仰だから」で無視している。
 それでも仲は良好だと信じており、ランサーも自分を信じてくる彼女を無碍に扱えていない状況にある。
台詞の例
「どうした、ランサー。何か言いたいことがあるなら言って欲しい。ワタシが対応できるかぎり対応しよう」
「密林の王、神の僕。──ジャガーオセロトルの牙は、お前の首に食らいつく。その心臓を、ジャガーオセロトルの爪は抉り出す」
生け贄を捧げよt l a m a n a! 偉大なるテスカトリポカに、太陽を昇らせるために!」
来歴
 彼女は中米近辺の部落に産まれた神官兼魔術師の家系だが、優れた素養と純粋さをもって産まれた為に英才教育を施された。
 その結果、現代的な知識と現代人とは思えぬアステカ的価値観をもった純粋な神官魔術師として成長した。
 そしてついにというか、全てを学び終えた彼女は故郷の家族や部落の人間の全ての心臓を抉り出し、彼女の奉るテスカトリポカへの生け贄として捧げた。
 しかし、現代において法則を無視する程の大規模神霊であるテスカトリポカを呼び出せるはずもなく、父母に教わったとおりに大勢を生け贄にしたにも関わらず神は降臨しなかった。

「そうか、生け贄が足りなかったのだ」

 そう考えた彼女はより優れた生け贄を探すため、世界を転々と渡り歩き殺人を繰り返してきた。
 彼女は魔術的な痕跡を残すことを好まず、神秘の残り香の全てを抹消してきた。そのため魔術協会もその行為を不問としたため、その凶行を止める人間はついぞ現れなかった。
 そんな折、日本の古読市を訪れた際に彼女の手元に小聖板が渡る。
 完成した聖板は、万能の願望機。聖板戦争という魔術儀式について知った彼女は、これを用いれば神を呼ぶことが可能なのではないかと考えた。

「────私を呼び出したのは、お前か? テスカトリポカの神官よ」

 そこに現れたのは、自身を遥かに超える神威、威容に満ちた白き龍の力。
 ある意味彼女の願いが叶うことが証明されたそれを見て、この戦争を戦うことを決める。
 ただ純粋に神への信仰を胸に、神を世界に呼び戻すために。

 呼びだされたサーヴァント「ランサー」は、そんな彼女を憂いの目で見つめていた。