運よく通りかかった南蛮船に救助され、そのままオランダへ行き6年の月日を過ごした九猛。
その後は異国の地にて西洋魔術を学び、中国を経由して帰国。覚えた魔術とタヌキ一族伝来の妖術をもって、
主君である小西行長の助けとなろうとしたが…小西家は関ヶ原の戦いに敗れ、既に行長は斬首された後。
やむなく一時は同じキリシタンである大名・黒田如水の元に身を寄せていたが、
やがて徳川幕府によるキリシタンの弾圧が始まり、
九州肥後は天草に隠れ住んでいた小西家の残党たちも目をつけられる。
九猛こと人間名・森宗意軒は彼らを守るべく、魔術を授けた弟子・天草四郎を旗頭にし、
島原の乱を起こす。だがあえなく敗れて四郎は死亡、宗意軒も柳生の剣士に傷を負わされ重傷を負う。
からくも逃亡した宗意軒は、友人であったキリシタン海賊である鄭芝竜を頼って
台湾へ落ち延び、そこで彼と共に反清復明運動に参加する。
しかしそれも失敗し、清を打倒してキリシタンの国を作ろうとする彼の夢も潰えた。
日本に戻った宗意軒はかつて小西行長が暮らしていた岡山の地に住み着き、
魔術を用いて村人を助け、 『 魔法様 』 と崇められるようになった。
しばらくは大人しくしていたが、享保年間に岡山(美作国)で発生した大規模な一揆・山中一揆に関与した事が判明。
苦しむ民達をなんとか助けたいと願っての行動だったが、人身を惑わす妖怪として、遂に討伐対象となるのだった。
退魔師との戦いに敗れた宗意軒―――――九猛狸もとうとう観念し、虐げられる弱者たちの恨みを吐露しつつ、処刑を待った。
…だが、彼の中にある善性を見抜いた狸界の顔役・不破康太郎によって命を救われ、
罰として妖力の殆どを封じられた挙句、人として生きる刑に処されるのである。