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氏 名
夜行天女 蘭麝
(やこうてんにょ らんじゃ)
職 業
妖仙
属 性
混沌/悪
性 別
身長・体重
188cm・65kg
年 齢
推定1600歳
活動拠点
こよみ大橋
サーヴァント
トルーパー
詳細設定
身体能力
EX
戦闘技術
EX
魔力量
B
魔術評価
B
精神強度
A++
幸運
C

保有スキル

石投娘いしなげんじょ
齢千数百年を越える大妖怪。長き時を生き、妖怪仙人である妖仙の域に達している。

石投娘とは長崎県江ノ島近海などに伝わる海の怪異。梅雨時に海で大きな岩崩れの音が聞こえ、その場に行ってみても何も起こっていない…というもの。ここでは、この謎めいた妖怪に、同じく長崎などに伝わる姑獲鳥(うぶめ)の要素を加味している。

実は生粋の妖怪ではなく魔との混血。ヤタガラスの子孫である加茂氏の出身で、日本に神代から棲んでいる鳥人の一族。さらに遡れば、遥か西方の海であるメラネシア辺りの鳥人崇拝に起源を持つという。イースター島のタンガタ・マヌあたりと親戚かもしれない。

印地術:EX
印地(いんじ)とは日本古来より伝わる、石を投げる事によって対象を殺傷する戦闘技術。これの使い手を印地打ち・印地使いと称し、蘭麝はその中でも頂点を極めた印地要(いんじのかなめ)である。投石器や手ぬぐいを使い石を投げる技法もあるが、蘭麝は基本手で投げる。
彼女のそれはただの戦闘技法ではなく、巫投(かんなげ)とも呼ばれる呪的投擲術なので霊体にも高い威力を発揮。使用すれば掌中の石が輝き、マジックミサイルのごとく放たれて対象を狙い撃つ。

物語などにおいては、 『 義経記 』 に登場する鬼一法眼の弟子の湛海、 『 田村草子 』 に登場する妖怪・りょうせん坊などが印地の使い手として知られる。また史実においても、三方ヶ原の戦いで小山田信茂率いる武田の印地部隊などが活躍したと記されている。

印地の技は元々、いわゆる河原者とされる河川沿いに住む賤民達の自衛手段として発達したものではないか…と言う説がある。

 

【 印地術の技一覧 】
○掃星  ⇒  ははきぼし。妖気を込めて放つ投石。青白い光が尾を引く様は、彗星の如し。基本技。
○遮仁輪  ⇒  しゃにわ。無数の石つぶてが術者の周囲を旋回し、防御する。遮仁とは土星の事。
○細石  ⇒  さざれいし。小石を念じて投げ転がすと、転がりつつ地気を吸収して徐々に巨大化し巌(いわお)となる。
○天狗礫  ⇒  てんぐつぶて。四方八方から降り注ぐ石の雨霰。その名の通り元々は天狗の技。
○石火矢  ⇒  いしびや。炎に包まれた石を投げる。同名の火器から名前を取った。
○千々石吹き  ⇒  ちぢわぶき。口から吐き出す砂利ブレス。奇襲用の技。
○石子詰め  ⇒  いわこづめ。投げた石が爆発すると無数の小石に分裂して降り注ぎ、圧殺する。中世の刑罰より命名。
○賽の積石  ⇒  さいのつみいし。相手の頭上から投げつけた巨岩が重なるように落下。石の塔の下敷きにする。
○石経  ⇒  せっきょう。石に怨敵調伏の経文を刻んで呪力を高め、結界などを貫通する投石。
○後生車  ⇒  ごしょうぐるま。石に超高速回転をかけて投げ、触れた物体を弾き飛ばす。後生車とは天気輪のこと。
○脛砕き  ⇒  真っ直ぐ飛んできた石が突然下降し、相手の足下を撃つ。スプリットフィンガード・ファストボール。
○没羽箭  ⇒  ぼつうせん。相手をホーミングする百発百中の投石。名前は水滸伝の投石名人、張清のあだ名から。
○五光石  ⇒  凄まじい光を放つ閃光弾。相手の目を眩ませて回避行動を封じる。封神演義に登場する鄧蝉玉の技。
○発手群石  ⇒  かざした掌から大量の石をイナゴの群れのように放つ、広範囲攻撃。封神演義に登場する竜髭虎の技。
○竜咬  ⇒  りゅうこう。ティラノサウルスっぽい肉食恐竜の頭部化石を投げつけ、噛みつかせる。
○移山到海  ⇒  足下の地面に妖気を流し、そのまま巨大な岩塊として持ち上げ投げつける豪快な大技。
○佐用姫石  ⇒  印地術と比礼術を組み合わせたもの。自身の肉体を石に変え、体当たりする。

土砂加持・石凝吐どしゃかじ・いしごりと
体内で妖気を凝縮し、石を作り出して吐き出す術。これにより、印地術を使う時にわざわざ石を拾ったり、懐に持ち歩いたりする必要が無くなる。また長年の研鑽により、様々な伝説で語られる魔石・霊石の類を再現・生成可能。

ダチョウのような草食性鳥類は硬い植物を磨り潰すため、飲み込んだ石を胃の中に貯めている。蘭麝のこの能力は、そうした胃石をモチーフとしている。

 

【生成石の一覧】
○赤子石  ⇒  投げると空中で突如重さが増大、落下して相手を押し潰す。姑獲鳥の逸話に出てくる石。
○夜哭石  ⇒  投げると空中で高速振動する石。当たればそのまま粉々に爆発する。
○鬼面石  ⇒  凶悪な鬼の顔が浮かんだ石。生えた二本の角で相手を突き刺す。
○金剛石  ⇒  ダイヤモンドを作り出し、投げる。拾って売ればお金持ち。
○疱瘡石  ⇒  疫病が込められた石。当たれば体から醜い腫れ物ができ、身体が高熱を発する。回復に五分かかる。
○亀石  ⇒  亀のような形の岩。亀の甲羅のような形と硬度を持ち、盾となって術者を防御する。
○蛇石  ⇒  蛇のような形の石。投げつければフラフラと蛇行し、予測もつかない軌道で敵を撃つ。
○流血石  ⇒  血を噴出する不吉な石。怨念のこもった血は拭えど落ちず、ベタベタと粘ついて動きを阻む。
○夫婦石  ⇒  互いに引き合う性質を持つ二つの石。敵の両側面にそれぞれ投げ、間に挟んで攻撃ができる。
○女獰石  ⇒  めどうせき。蛇髪女が持つ石化の瞳の犠牲となった者の屍石。ほぼ石像である。
○十引石  ⇒  あの世とこの世を隔てる千引岩のミニチュア版。砕けば中から悪霊の群れが這い出てくる。
○霊鷲石  ⇒  ダイバダッタが釈迦を圧殺しようとした岩の破片。聖人を傷つける吹仏身血の効果を持つ。
○宿魂石  ⇒  悪神アマツミカボシの荒御霊を封じたという石。神性を持つ相手に大きなダメージを与える封印石。
○殺生石  ⇒  猛毒の瘴気を発する石。強い妖力を持つ化け狐が変じたものという。
○要石  ⇒  タケミカヅチが大ナマズを押えつける時に使用した石剣。これで相手を貫くと、身動きできなくなる。
○卵石  ⇒  星の力が宿る石卵。投げつけると空中で割れ、中から魔獣・石猿武猴王が飛び出し襲いかかる。

比礼術ひれじゅつ
比礼とは古代の女性の装身具である首にかけた長い布。領布とも書き、天女の羽衣はこれがモデルである。

神道には魂振りの儀式というものがあり、この比礼を手に持って振る事で霊魂を引き寄せ、或いは遠ざける力を発揮するとされる。日本人が別れ際に手を振るのは、離れてゆく相手の魂を手元に引き寄せたい…というこの魂振りの儀式から来ているとい言われているのである。比礼術はこの魂振りを戦闘的に転用したもの。比礼を振る事で天地の狭間に漂う無数の魂魄の流れを操り、それを宿した布で相手の攻撃を弾き返したり、身体に絡みつけて動きを封じ、あるいはそのまま投げ飛ばす。

天照大御神を天の岩戸から誘い出すのに布を織ったという建葉槌神(タケハヅチノカミ)、別名を天羽槌雄神は、織物の神でありながら武神としての側面を持ち、あのタケミカヅチでも敵わなかった悪神アマツミカボシを退治したと言われている。一説には天羽槌雄神は天女であり、星に届く飛行の力を持っていた為に、星神であるミカボシ神を倒せたとされているが、織物の神である事から羽衣…つまりこの比礼術を用いて戦ったのかもしれない。

他にも九州佐賀には松浦佐用姫の伝説というものがある。船で戦に赴く恋人を、比礼を振って引き寄せようとするが叶わず、哀しみのあまりその身が石になってしまったというものである。

オボウヂカラ
蘭麝が五体に宿す、怪力を越えた人外の剛力。岩山をも担ぎ上げて投げ飛ばすと噂されるが、正確に換算するとフルパワーで37万馬力程らしい。素手で大地を割らんばかりのパワーであるが、肉体に強く不可がかかるので普段はせいぜい十人力程度に制限している。

この力は他者に一部譲渡する事もでき、歴史上に名高い大力の持ち主の中には、蘭麝からこれを受け継いだ者もいるとか…。

重ね当てかさねあて
体内に打撃を浸透させ、鎧武者も打ち倒すという柳生心眼流古武術の秘打。相手の防御力を無視してダメージを与えられる。

相手の胸に自分の左手を添え、それに右拳を重ねるようにして打つ。別名を鎧徹し。左手を押すようにして添える事で筋肉の弾性を封じ、衝撃をそのまま伝えるという術理であろうと推測される。蘭麝の場合、ただ左手で押すだけではなく波動状に衝撃を送り込んでおり、二重の極み的な使用法をしている。

 蘭麝は自分の操る比礼による分銅術にも近い心眼流の振り打ちに興味を覚え、人に化けてしばらくその武術を習っていた。重ね当てはその時に会得したもの。

魔術・奥義

妖武術・輝星捕ようぶじゅつ・かがほしどり
ランク:A 種別:対軍武術 レンジ:∞ 最大捕捉:?

元々は印地術のみを修得していたのだが、印地術には比礼で石を包み、 分銅のように振り回して相手を打ち据える接近戦用の技が存在していた。 これに比礼を振る事で霊魂を操る 『 魂振りの術 』 と、 柳生心眼流に見られる素手での打撃法・振り打ちを組み合わせる事で、 遠・中・近距離そして物理的にも霊的にも隙の無い武術が完成に至る。人間でも女性ならば修得できるらしい。

比礼を使用した分銅攻撃は、蘭麝自身の腕の長さもあいまって凄まじいリーチを誇り、
捌けば比礼が腕に絡みつき、避けて離れれば投石の追撃が待っている。
よしんば懐に潜り込めたとしても、心眼流の肘打ちや蹴り、重ね当てによる当身技を喰らってしまうのだ。

柳生心眼流は諸賞流などと並び、日本古武術では珍しく当身による打撃技を重視する流派。
型稽古では身振、素振りと称される激しく素早い腕の振りを何度も行う事で、
腕を大きく振る 『 振り打ち 』 の威力を高めるのである。
この振り打ちは一見テレフォンパンチにも見えるが、
離れた距離から、対峙する者の視界の外より飛んでくるので対処が難しく、
加えて相手の防御を弾き飛ばすだけの大きな威力を誇る。更に即、踏み込んで肘撃ちの追撃が来る。
この腕の振りは相手の攻撃を払い落とすのにも役立つ、攻防一体の技術。

余談ながら、この大きく腕を振り回す動作で相手の攻撃や防御を払い落とし、
懐に踏み込んで肘や掌打を食らわす…という心眼流の戦法とよく似た発想のものが中国拳法にもある。
それは一つの流派ではなく、劈掛拳+八極拳の同時修得の推奨である。
腕を大きく振り回して打つ劈掛拳が遠距離戦を得意とし、八極拳が接近短打を得意とするため、
双方を学ぶ事で互いの欠点を補い合う事ができる…というのが一般に知られている拳理だが、
それだけではなく、劈掛拳の払い打ちで相手の防御を突き崩し、懐に入って八極拳の打撃を食らわす…という
 『 劈掛で入って八極で打つ 』 という言葉にある通りの、優れた戦法がとれるのである。
まさしく、柳生心眼流もこれと同様の理を持つ武術なのだ。

神宝・石振比礼かんだから・いわふりのひれ
ランク:B 種別:対人神具 レンジ:1~5 最大捕捉:10

蘭麝が身にまとう羽衣。天地を漂う無数の霊魂の流れを操って所持者を飛行させ、妖武術・輝星捕を使用する際は武器となる。

先代旧事本紀に登場する十種神宝の中には蛇比礼、蜂比礼、品物之比礼などの宝があり、古事記にも八種宝物の中に波振比礼、波切比礼、風振比礼、風切比礼などが存在する。いずれも魂振の術と組み合わせる事で、害虫を追い払ったり、自然現象を鎮めるなどの呪的効果を持つ神宝である。どこから入手したものか蘭麝もこれらと同格の神宝を有しており、常に肌身を離す事無く身に着けているという。

投稿者・コメント

国巣
勘解由小路 蘭麝の正体である 『 石投娘 』 という妖怪。鳥の妖怪だが翼はなく、代わりに羽衣を纏い空を飛ぶ事から 『 夜行天女 』 の異名を持つ。

人や妖怪の強者との戦いを好み、その子種を奪って最強の子供を作ろうとするので 『 産女(うぶめ) 』 の蘭麝とも呼ばれる。服用する事で人間女性に男性器を生じさせる半月石(はにわりいし)を持ち、強き女性からでも子種を採取できるとか。これまでに採取した子種から産んだ卵は、ある洞窟に保存してあり、いずれ孵化させた子供達に武術を教え、最後は家族全員で殺し合いをするのが究極の愉しみであるとの事。

これまで歴史上でも数々の豪傑に戦いを挑んでおり、國摩真人、卜部季武、司箭院興仙、三浦義意、疋田景兼、楳本法神、白幽子、仏生寺弥助、山岡鉄舟といった各時代の猛者達と死合いを繰り広げている。また友人である九猛狸の要請で島原の乱に参加した際は、かの宮本武蔵と戦い激闘の末に印地術でこれを破っている。

…かつて長崎に住んでいたことがあり、同地を治めていた小西行長の家臣・九猛(森 宗意軒)とは良き喧嘩仲間であった。また石投娘は海の怪異なので、同じ海妖である吹螺坊とも古い顔馴染み。

明治六年五月五日未明、戯れで宮城(当時の皇居)を襲撃し、駆けつけた山岡鉄舟を含む陰陽師・神主・僧侶・退魔の剣士総がかりで撃退され、飛騨山中の塚に封印される事となる。それから長い間その存在を忘れられていたが、いずれ来る聖板戦争に備え、警察側の対サーヴァント用戦力として吹螺坊と共に封印を解かれる。人間の姿を与えられた蘭麝は、警察庁公安課理外監査室に編入、一警察官としてオカルト犯罪者への取り締まりに駆り出される事となる。

暫くはその強大な妖力を制限され、戦闘の際数分だけ力を解放する事を許された状態であった。人に使われるという屈辱の日々ではあったが、そこそこ強力な犯罪者との戦いの日々は、それなりに彼女を満足させていた。しかし、かつて自分を封じた退魔師達が聖板戦争に現れるという噂を聞き、全力で戦いたいと熱望。彼女と同様に封印を解かれ、人の姿で警察官をさせられていた妖怪・吹螺坊の手によって再び妖怪としての力を取り戻す。

その頭の中は殆ど戦闘欲と生殖欲で占められており、他の事は割りとどうでもいい。特に思想信条はなく、吹螺坊や九猛と一緒にいるのも単に腐れ縁、というだけで彼らに賛同したりしている訳ではない。

 

【セリフ】

 『 おう、護国士寮の十二剣に滅魔奉世の祠堂か…。月歳はいねぇようだが、テメェらにゃ大分昔に世話ンなったなぁ。んじゃま、お礼参りといくぜ。 』 

 『 ケェェェ~~~~オ!! 子種寄越せ!!! 子種ぇぇぇ 』 

 『 噂の頼光と四天王のお出ましかい…あの季武の野郎の仲間とあっちゃ、こいつはかなり期待できそうだな。あたしゃ酒呑童子のようにゃいかねぇぞ。 』 

 『 今じゃ人に使われる身かよミカボシィ。まつろわぬ星も地に堕ちたな。あたしが介錯してやるぜぇぇ!! 』 

 『 おめぇ、その格好もしや…やきう(野球)か? やきうをやんのか? 面白ぇ、このあたしの剛速球を打てるもんなら打ってみやがれ。 』 

 『 ケケ、ケェェ~~~オ。勘解由小路なんたらなど知らねぇな。いいからおめェらの職務をまっとうしろ。え、警邏隊第三執よ。 』 

 『 いいだろうがよ別に減るモンじゃなし…。心配すんな、目瞑って百数えてれば終わっから。んじゃ、いただき~♪ 』