この星に降り立ち、己の任を全うして以来、どれだけの時を過ごしているのか。
名を変え姿を偽り、時には神とも崇められ、どれだけの世を観てきたのだろうか。
最早、記憶していない。
しかし彼は今も、人類の進歩を眺めながら、此処に在り続ける。
――そんな折、彼は現代において
「魔術によって英霊を己の使い魔として従える」事象が起きているのを知る。
多大な興味と僅かな危機感を覚えた彼は、
並行世界から“英雄”と成り得る魂を回収してコピー、自らの英霊として召喚し、
そして自身は力を抑えて英霊のひとつと偽りながら、『聖板戦争』に介入した。
……が、その魂から成る男は戦いの中で己を取り戻し、境遇に反感を抱く。
売られた喧嘩を買う形で彼は迎え撃ち、終始圧倒するものの、
仮面の鼻を斬り飛ばした技量、そしてその激情を気に入り、条件付きで男を解放すると告げた。
「解放の前に、別の次元で起こる聖板戦争に再び参戦してほしい」と。
正直なところ、もう少しこの戦争を調査したいという思いと、
男を手放すのが惜しいという気持ちがある、というのが彼の本音である。
常に前進し続けようとするこの凝り性な男を観測するのが面白くてたまらないのかもしれない。
彼は今回においても、英霊レベル以下にまでパワーを抑えた上で現界している。
老人としての姿は(アレでも)何かと不自由が多いらしく、今回は若い姿を取っている事が多い。
本当は背中から羽とかも生えるらしいが引っ込めているとの事。