早い話がすんごいガン飛ばし。
爬、梟、蝪などの人に害をなす禽獣蟲魚を表した文字を虚空に描き、『 汝、○○なり 』 とその悪しき文字名で相手を呼ぶ事で発動する強力な呪詛。名づけられた対象は抵抗に失敗すると魂魄を貶められ、人や神としての尊厳が奪われる。具体的には一定時間全ステータスが低下し、混乱状態に陥る。通常ならば解呪されない限り効果は永続するのだが、聖板戦争に参戦するサーヴァントやマスターは多くが強靭な魂を持つので効果時間が限られてしまうようだ。
文字の霊威を深く信仰していたキャスターは、逆らった者に忌むべき獣の名前を与えて処刑、死後もその魂を畜生道に落として転生できぬように呪ったという。
早い話が悪口。やーいへっぴり虫ーみたいな。
彼女は元を辿れば母系社会である西域の遊牧民の血筋。堅苦しい男性上位の儒教文化が支配する中華の地にあって、女性蔑視を目の当たりにしてきたせいか激しい男嫌いに陥っている。女性でありながら皇帝を目指したのも、軽蔑する男の風下に立つのが我慢ならなかったというのが一因。夫であった唐皇帝高宗や息子達ですら、逆らえばいつでも謀殺する腹積もりであった。ただし生理的に受けつけないという訳ではなく、単に情欲のはけ口として褥を共にする愛人は複数いた模様。また目的達成の為には、我慢して表面上男に従う素振りもできる。
…そんな彼女であるが自分を怖れず諫言し、公正な政務に務めた宰相・狄仁傑だけは唯一敬意を払う男性だった。彼の死の際は、その冷酷な眼差しにも涙が滲んだという。
皇帝に取り入る為に邪魔であった二人の妃を罪に陥れ、処刑した時の残虐な刑罰を宝具化したもの。
伝承では四肢を切断して大甕に放り込み、死ぬまで酒漬けにしたという。
宝具使用時には召喚した大甕から大量の酒が渦を巻いて襲いかかり、甕の中に相手を引きずり込む。この酒毒は骨肉を蝕み溶かす威力を持ち、例え渦の吸引から逃れても毒と酩酊のバッドステータスが付加される。
怨敵の血肉が溶けた屍酒を呷れば、戦いで減じた生命力と魔力を癒す回復アイテムになるという。あなおそろし。
世俗から隔絶された貴種の威厳が生み出す、御簾状の防御障壁。展開時、その内側は一種の固有結界にも等しい異空間と化している。キャスターと同様に皇帝や王の位に上り詰めた者や、一国の指導者クラスの政治力を持つ者、あるいは国家転覆を成し遂げた革命家でもなければこの簾の防御力を突破するのは難しい。
本来は皇后や皇太后が皇帝を傀儡にして行う政治の事を指した言葉。
刑を執行する酷吏としてキャスターの走狗となり、非道の限りを尽くした来俊臣が作成した拷問技術の集大成マニュアル。無実の者を余すことなく捕らえ、有りもせぬ罪咎を自白させる阿鼻叫喚の手段が詳細に記述してある。これを手元に呼び出し読み上げれば、対象の四方から鎖・枷・縄・鉄環・楔など無数の拷問具が飛来。それらの一つにでも拘束されると、心身を苛む拷問が開始される。力技で脱出する事も可能だが、それができなければ死ぬまで延々と責め苦は続く。
《拷問の例》
鳳凰干翅…罪人の手足を縄で縛り、天井の垂木に吊り下げて体を高速回転させる。通常ダメージ+目眩。
驢駒抜厥…重荷を背負わせ、更に重しのついた足枷をつけさせて前から引っ張り歩かせる。通常ダメージ+敏捷低下。
仙人献果…枷をつけた両手を前に出させ、その上に煉瓦を積んでゆく。通常ダメージ+攻撃力低下。
玉女登梯…腕関節を逆に決めた状態で高い木に吊るし、縄を引っ張って引き上げてゆく。通常ダメージのみ。
失魂環…頭に鉄の環を嵌め、隙間に楔を打ち込んで締めつけてゆく。通常ダメージ+思考力低下。
ん?国巣の国の字が間違ってるって? 実は水戸黄門こと光圀さんで知られるこのクニの字、彼女が作った文字なんです。